港、ヨコハマの玄関口にそびえる 言わずと知れた『ベイブリッジ』
その橋の下に『スカイウォーク』という展望施設があることは
実は地元でもあまり知られていませんでした。
ベイブリッジが完成したのは今から21年前の1989年(平成元年)。
本牧ふ頭と大黒ふ頭を結ぶ高速湾岸線の一部を構成する2層構造の斜張橋で
上層部が首都高速道路、下層部が国道357号線となっており
この自動車専用道路に併設された日本ではじめての歩行者専用道路が
『スカイウォーク』でした。
エレベーターを備えた塔と、遊歩道、ドーム型の展望台とで構成され
横浜港周辺ほか、富士山、丹沢、箱根、新宿副都心、房総の山並み
と、360度景色が楽しめました。
展望台へ続く遊歩道からは東京タワーまで
キャンドルのように小さいながら、その姿を眺めることができました。
春と秋にはダイヤモンド富士
お正月には初日の出
私たち親子の季節の標にもなっていたように思います。
【いつかの日の出前】
自宅から近いこともあり
ここにはどれだけ通ったかわかりません。
子供の成長を共に見守ってもらったような思いさえ沸き起こります。
【ダイヤモンド富士】
そんな大切な思い出の場所は
今年の9月、設備の老朽化と経営の悪化を理由に閉鎖に至りました。
今春からこの閉鎖に向け、土日祝日のみの営業に既に切り替わってしまっていたため
主に平日に撮影に行っていた私たち親子はなかなか出向くことができませんでした。
最終日はきっと混みあい、写真を撮るのは無理だろうと
閉鎖の二週間前の土曜日、親子で最期のお別れ撮影に行って来たのですが
【母撮影】
展望台のたたずまいはいつもと変わらず
閉鎖の事実を知る由もないようにも見えましたし
最期のときを知り静かに待っているようにも見えました。
【息子撮影】
さすがに、閉鎖二週間前とあって
ここ数年には無い人出がありましたが、それでも駐車場も満車ということは無く
観光名所の横浜とは思えない程度の人出。
最終日は息子が発熱してしまったこともあり自宅よりお見送りすることにしましたが
後のニュースで、最終日の来場者数は3600人程度と聞き及びました。
リニューアルオープンも決まっていたマリンタワーの最終営業日は
展望台へのエレベーター待ちにも1時間近く。
その後、入場待ちの人で道路は溢れ帰り
閉館1時間前には入場制限がかかってしまったという様子を
入場さえできなかった多くの人々と共に、派手に報道されました。
それに比べると、スカイウォークの最期はあまりに静かだったと思えます。
世の中での価値がどうあろうと私たち親子には思い出深い場所で
例え閉館してしまっても
私たちの脳裏からその景色が無くなることはないでしょう。
今後も、その構造上撤去は難しく現存維持するため年間500万円の費用がかかるそうです。
と、聞けば思うことは多々あり、嘆かわしく思うばかりですが
幸せな時間をたくさんくれた
スカイウォークに
ありがとうと今一度伝えたいと思います。